『アフターブルー』

あ行

著者:朝宮夕
おすすめ度:★★★★☆

死についてリアルに思い描き想像したことがありますか?

あらすじ

物語は、葬儀会社「株式会社C・F・C」の納棺部に新入社員が配属される場面から始まります。
納棺部のメンバーそれぞれの人生が、リレー形式で語られていく構成。
普段は目を逸らしがちな「死」というテーマに、仕事を通じて否応なく向き合う彼ら。死者との関わりは、やがて自分自身の人生観や死生観をも揺さぶります。
死を扱うがゆえの偏見、それに立ち向かう姿勢。そして、死者と生者の人生が交錯する瞬間の重みが、静かに描かれています。

感想


死を題材にしながらも、押しつけがましさはなく、静かに問いを投げかけてくるような優しい文体が印象的でした。
「夢中で一気読み」というより、自然と最後まで導かれるような読書体験です

これまで「死」を身近に感じられずに生きてきた私にとって、本書はその距離を少しだけ縮めてくれました。遺体の描写や死の理由は重く現実的であるにもかかわらず、落ち着いて受け入れられたのは、朝宮さんの独特の筆致の力だと思います。
人が抱える苦しみや悲しみを包み込み、そっと昇華させてくれるような温もりのある小説でした。


最後に
読後、不思議な余韻が心に残ります。
ぜひ手に取り、薄明のその先を、あなた自身の歩みで確かめてみてください。

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