著者:バートン・マルキール|おすすめ度:★★★☆☆
📊 インデックス投資の原点にして必読書
水瀬ケンイチ氏の『彼はそれを「賢者の投資術」と言った』をはじめ、インデックス投資を語る上で必ず登場する本書。
その原点となる考え方を知りたくて手に取った一冊。
本書の主張は明快——
「株価はランダム・ウォークするため、過去の動きから将来の動きを予測することは不可能である」
この前提のもと、テクニカル分析やファンダメンタル分析の限界を、膨大な市場データを用いて検証している。
💡 予測不能でも、投資はできる
「予測できないから投資は無理」では終わらないのが本書の価値。
効率的市場仮説に基づき、株価は集団心理によって一時的に偏ることはあっても、最終的には合理的に収束していく。
- 市場は複利的に成長を続けている
 - 株式はインフレに対してヘッジ効果がある
 - 戦後のデータから期待リターンは年平均8%程度
 
こうした事実を踏まえ、**「株価を予想するのではなく、ドルコスト平均法で市場平均に近い成果を目指す」**という投資スタイルが推奨されている。
🧠 難解だが、引用され続ける理由がある
膨大なデータと理論が詰め込まれているため、正直読みづらさはある。
しかし、インデックス投資の思想的な土台として、数々の良書が本書を引用しているのも納得。
まずは入門書から読み、理解が深まったタイミングで本書に挑戦するのがベスト。
📌 まとめ
- 株価予測の限界を示しつつ、合理的な投資法を提示
 - インデックス投資の思想的な原点
 - 難解だが、引用され続ける名著
 
インデックス投資を志すなら、いつかは通るべき一冊。
「市場平均に近づくために、何をすべきか」を考えるきっかけとして、ぜひ手元に置いておきたい本です。

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