著者:岸見一郎、古賀史健
おすすめ度:★★★★★
理想論では終わらない“実践できる”アドラー心理学
前作からの一歩先へ
前作『嫌われる勇気』でアドラー心理学に感銘を受け、生活に取り入れたものの、
「相手は課題を分離してくれない」「自分だけ変わっても限界がある」
──そんな壁にぶつかった経験はありませんか?
私もまさにその一人でした。
本書『幸せになる勇気』は、そんな“実践者の壁”を乗り越えるための具体的なアンサー本です。
あらすじ
物語は『嫌われる勇気』から3年後。
かつての青年は教師となり、「叱らない」「褒めない」を実践してきました。
しかし、生徒は言うことを聞かず、同僚からも反発され、理想と現実のギャップに悩みます。
再び哲人を訪れた青年に、アドラー心理学の核心が語られます。
人生を仕事・交友・愛という3つのタスクに分け、それぞれを追及していく。仕事、交友、愛のタスクを追い求めることにより自立へと踏み出すことができる。
印象的だったポイント
特に心に残ったのは、問題行動の5段階です。
- 賞賛の欲求(褒められるために努力)
- 注目喚起(褒められないなら問題行動で注目を得る)
- 権力争い(教師に反発し主導権を握ろうとする)
- 復讐(相手を傷つける行動を徹底)
- 無能の証明(自ら無気力を装う)
④まで進むと、単独での修復は難しく、第三者の介入が必要とのこと。
同じ教師として、現場での経験からも大きくうなずける内容でした。
読んで感じたこと
アドラー心理学は“哲学”に近く、ゴールのない探求です。
相手を支配するのではなく、尊敬を土台に関係を築くことの重要性を改めて実感しました。
この本を読むことで、アドラー心理学が理想論ではなく、日常に落とし込める実学であることがわかります。
『嫌われる勇気』とセットで読むことで、より深く理解できるでしょう。
結論:
アドラー心理学を実生活でつまずいたことのある人には、必ず役立つ一冊。
共に考え続ける仲間が増えることを願っています。
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