ファラオの密室

著者:白川尚史
おすすめ度:★★★☆☆

 ミステリーなのに舞台は紀元前14世紀の古代エジプト。筆者が「ミステリーのブルーオーシャンを捜してたどり着いた設定」というだけあって、独特の世界観で描かれるミステリーは斬新。
 死んでミイラにされた神官セティが自分の欠けた心臓を取り戻すために蘇るところから話が始まるというびっくり設定。欠けた心臓を捜すべく自分の死の真相を探っていくセティであったが、その最中、先王のミイラが消失するという大事件にも遭遇。全ての謎を解くカギが厳重に警戒された密室である王墓の玄室へと集約されていく。
 ライトノベルのような軽い文体で古代エジプトの知識など全くない私でもテンポよく読み進めることができた。ミステリーというよりはファンタジーを読むような感覚。
 ミステリー要素が自分としては物足りなかったので、星が3つとなっているが、エジプトを舞台とした物語としてはとても読みやすかった。既存のミステリーとは違った刺激が欲しい人にはおすすめの一冊。

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