著者:染井為人
二歳の子どもを持つ一家三人を惨殺し、死刑判決を受けた少年死刑囚・鏑木が脱獄。
正体を隠しながら様々な場所に突如として現れては消えていく鏑木を周囲の人間の目を通して追いかけていく。
姿かたちを変えながら様々な場所に潜伏する鏑木。関係した人たちの知ったこと感じたことから浮かび上がる鏑木の正体とは。
鏑木が何を思い何のために脱獄をしたのか、脱獄をしてまで成し遂げたいことは何なのか、物語を読み切り、彼の正体を知った時なんとも言えない気持ちになってしまった。
あとがきには作者のこの小説に込めた願いが書かれており、それを含めてこの「正体」という小説が完成すると感じた。(あとがきにはネタバレが含まれているので読後に読むことをおすすめします)
物語の性質上とても面白いです!とはおすすめできない小説であるが、読むことで自分の視野を広げられる良い小説であった。
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