イクサガミ 天

著者:今村翔吾
おすすめ度:★★★★☆

 侍版バトルロワイヤル。明治11年、お金を目当てに集められた維新に取り残された亡霊たち。ゲームの名は「蟲毒」。武芸に覚えのある参加者たちが殺し合いながら江戸を目指す。生き残ることができるのは9名だけ。何のためにこのゲームが行われ、江戸にたどり着いた9名はどうなるのかも分からないままに、ゲームは進んでいく。
 主人公である嵯峨愁二郎は虎狼痢を患った妻と子どもを助けるお金を工面するために蟲毒に参加。共に参加した十二歳の少女・双葉のことを見捨てることができずに助けたことから行動を一にすることになる。
 三部作の最初となる本作では、嵯峨愁二郎の強さの秘密や兄弟妹との確執、双葉が蟲毒に参加することになった理由が語られる。それと同時に魅力的なライバルたちが続々紹介される。続編への地ならしもしながらも読みごたえのあるアクションの描写にあっという間に読み終えてしまった。
 続く「地」「人」を読み終えていない中でもこの満足度。続きを読むのがとても楽しみ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました