著者：アーネスト・ヘミングウェイ｜おすすめ度：★★★☆☆
🌊 老漁師が海に挑む、人生の象徴的な闘い
キューバに暮らす老漁師。
かつては少年とともに漁に出ていたが、少年の父の意向で弟子関係は解消される。
それでも少年は、老漁師への尊敬と気遣いを忘れず、彼の孤独な日々を見守っている。
84日間の不漁が続く中、老漁師は諦めることなく海へと船を出す。
老いゆく体を引きずりながら、仕掛けを施し、魚を待つ——
そしてついに、幻のような巨大な魚がかかる。
⚔️ 老人と大魚の死闘、その先にあるもの
大魚との壮絶な駆け引きは、まさに人生の縮図。
孤独な海の上で、老漁師は自問自答を繰り返しながら
信仰や少年への思い、そして日常の断片に心を寄せていく。
果たして彼は、大魚を吊り上げ、港へと無事に帰還できるのか——
その結末は、静かでありながら深い余韻を残す。
📘 力まず読める、文学のエッセンス
分量は多くなく、現代文学とは異なる簡潔な文体が特徴。
それゆえに、言葉の奥にある感情や哲学がじわじわと染み込んでくる。
人生のある局面で、自分自身と重ねて読みたくなる一冊。
静かな闘いの中に、老漁師の誇りと孤独が光る名作です。
コメント