🌍『世界経済地図』読書レビュー

教養

著者:すあし社長|おすすめ度:★★★★★

世界の「思惑」と「戦略」が見えてくる一冊

大人の学び直しTV」を運営している教育系Youtuberのすあし社長が、世界経済について分かりやすくまとめてくれている一冊。
世界経済の主要国であるアメリカ・中国・ロシア・ヨーロッパそして日本の経済状況が各章ごとに分けて書かれている。
各国の経済状況が分かるとそれぞれの思惑が分かり、それぞれの戦略が見えてくる。

🌐 各国の経済状況と課題

アメリカ

基軸通貨を武器にして強い経済を築くアメリカ。しかし、コロナ対策として打ち出した大きな緩和政策が引き金となったインフレを未だ退治できずにいる。基軸通貨としての信頼も揺らぎつつある中、インフレをコントロールし、好調な経済循環に戻すことができるのか。

中国

有り余る人口を後ろ盾に「世界の工場」として存在感を放つ中国。しかし、一人っ子政策により人口が減少に転じ、豊かになる前に老いてしまう「未富先老」状態に。さらに、不動産バブルが弾けたことにより、経済が停滞。日本が経験したのと同じデフレのスパイラルに陥ってしまっている。アメリカとのハイテク覇権争いを制し、世界経済を支配することができるかどうかが生き残りの鍵となる。
ロシア:エネルギー大国として大国としての地位を高めていたロシア。ウクライナとの戦争に突入してから経済状況が一変。最も価値のある人材を戦争によりどんどんと失っている。出口の見えない戦争にどのように終止符を打つのか。

ヨーロッパ

世界的な経済実験となっているユーロ経済。各国の思惑が異なる中、同一通貨を使っているために、欧州中央銀行の打つ手立てはどの国にも「帯に短したすきに長し」
の状態。ロシアが戦争を始めたことによりエネルギー政策の転換を余儀なくされている。社会全体が高齢化していく中で移民をどのように受け入れていくのかが大きな課題となっている。

日本

かつては産業大国でありながら、大きなイノベーションに乗り遅れたために、デジタル赤字が増加している。未だに高い技術を誇っている半導体製造装置や素材の技術を生かしながら新しいイノベーションを起こし、高齢社会の先鞭をつけることができるかどうかが今後の世界での立ち位置を決定づける。

🧠 読後の変化とおすすめポイント

それぞれの経済状況を詳しく説明してくれているので、書名通り頭の中に「世界経済の地図」が出来上がる。それにより、報道される内容をより深く理解することができるようになる。
新聞は読んではいるが一つ一つの事象がつながっておらず今一つ内容が入ってこない人にはぴったりの本。
本書と合わせて「大人の学び直しTV」を登録することもお忘れなく。

コメント

タイトルとURLをコピーしました