『ブティック』|M&Aを題材にした池井戸潤の熱きお仕事小説 

あ行

著者:池井戸潤
おすすめ度:★★★★★
読みやすさ:★★★★★

『ブティック』|あらすじ

東京中央銀行入行3年目の雨宮秋都(あまみやしゅうと)。

担当していた会社のM&Aに東京中央銀行による不正があることを見抜く。

秋都が会社の不正を暴いたことにより巨額のM&A案件が流れてしまう。

不正にかかわった上司はすべての責任を秋都になすりつけて秋都を左遷させる。

正しいことをしたのにも関わらず処分された秋都は、東京中央銀行でのキャリアを捨て、アドバイザリー専門の小さなM&Aブティック 「ランパス東京」に転職を果たす。

『ブティック』|感想

「下町ロケット」「陸王」「半沢直樹」シリーズなど、様々な仕事に生きる人たちの熱き魂を描いてくれる池井戸さん。

今回のテーマはM&A。

企業買収と聞くとお金だけで会社を評価し売り飛ばしてしまうだけかと思っていましたが、浅はかでした。

M&Aとはただ会社を売買すればいいだけではない。そこには、会社で働く人たちの人生や未来がある。

企業買収をする際には売り手にも買い手にも買収に至るまでのストーリーがある。

M&Aのアドバイザーとしてそのストーリーに耳を傾け、会社に寄り添った形でM&Aの成立を目指す秋都とランパス東京。

一方で、己の利益のみを追求してM&Aを成立させようとする。東京中央銀行の秋都の元上司たち。

池井戸さんの描く悪者は徹底した悪者で抜け目もない。

それを誠実さを武器に打ち砕いていく秋都の姿が痛快の一言。

全8話の構成。

1話1話が一つの案件に分かれており、連作短編的に話が繋がっていく。

そして最終的にはしっかり悪者をやっつけて筋を通してくれます。

全578ページの鈍器本にも関わらず、「正義は必ず勝つ」という池井戸作品らしい展開が痛快すぎて、あっという間に読み終えてしまいました。 

『ブティック』|まとめ

池井戸さんが描くM&Aの世界。

情熱を持って仕事をしている人には熱き魂を思い出させてくれる小説です。

勧善懲悪で悪をしっかりやっつけてくれるのもすっきりします。

M&Aの知識がなくても大丈夫。仕事に情熱を持つ人なら、秋都の姿に熱くなること間違いなし。

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