著者:山口周
おすすめ度:★★★★★
昭和から続く典型的なキャリアの継続できなくなり、それぞれが自分なりの正解を追い求める必要がある昨今。今一つ自分なりの戦略が導き出せていない思いが潜在的にあり、これからの人生の指針にするべく本書を手に取る。
本書では、人生を長い大きなプロジェクトと見立てて、「持続的にウェルビーイングの状態を保ち、自分らしい人生を送ること」を目的とした場合の戦略を経営戦略の考え方をもとにして体系的に論述してくれている。
人の一生を春夏秋冬の4つのフェーズに分けてそれぞれのフェーズに必要なことを順を追って示している。少し乱暴に要約すると春には色々な挑戦をして、自分の心地よい場所を模索し、夏ではその場所をより掘り下げる、そして秋ではそれをもとに視野を増やして冬でそれを分け与える。というような中身になっている。
その4つのフェーズに使える方法論も経営学の知識をもとに解説してくれている。なかでも、安定的な仕事を持ちながら余暇で挑戦的なことをする「バーベル戦略」や、その時代に応じた「ポジショニング」を意識すること。「質を高めるにはたくさんのアウトプット」を必要とすることなどが、個人的な参考となった。
一つ一つについては、他の本でも書かれていることではあるが、本書では、それを経営学を背景にして体系化しているので、理解しやすく本書一冊をしっかりと読み込んで実践すれば、長い人生を幸せに送っていくことができる内容になっている。これからのキャリアを描いていくための必読書となっている。特にこれまでの固定概念を取るに足らないどころか「呪い」とまで言ってのけているのが痛快。多くの人が本書を手に取り自分らしい人生を送ることができることを願っています。
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