著者:ソール・パールマッター ジョン・キャンベル ロバート・マクーン
おすすめ度:★★★☆☆
あふれる情報の中から日々選択を迫られる現代。そんななかで「自信を持って意思決定をする方法」を知りたくて、本書を手に取りました。
2000年以降、誰もがインターネットを通じて膨大な情報にアクセスできるようになりました。その情報をもとに、私たちは日々の決断を下しています。著者は、そうした「第三の千年紀(2001年~3000年)」を生きる私たちが、情報をどう集め、どう判断し、どう意思決定すべきかについて、科学的な視点から丁寧に解説しています。
本書のテーマは「不確実性をどう扱うか」。どんな時代でも、正解がひとつに決まることはほとんどありません。だからこそ、私たちは「どこまでが妥当な推定か」「どれくらいの確信があるか」を明確にしながら判断する力——つまり「蓋然的思考」を養う必要があります。
そのために必要なのは、確かな情報を集める力。ただし、情報には必ず「ノイズ(雑音)」が入り込む可能性があります。多くは、人間が無意識に持つバイアスによって生じるものです。本書では、こうしたバイアスやノイズとどう向き合うべきか、豊富な例を交えて説明されていました。
とはいえ、その「例え話」自体がやや難解で、読むのにかなりエネルギーを使いました…。バイアスに惑わされず、推定と確信度をもとに他者と協力して意思決定していく——そんな理想的な思考法を紹介している一冊ですが、私には少しレベルが高かったかもしれません。
論理的に物事を判断したい方や、意思決定の質を高めたいと考えている人にはぜひおすすめしたい本です。そして、いつかこの本の内容をもう少し噛み砕いて解説してくれる「やさしい解説書」が登場することを期待しています。
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