著者:凪良ゆう
おすすめ度:★★★★☆
読みやすさ:★★★★★
「好き」という気持ちだけでは、人生は乗り越えられない。
そんな現実を真正面から描いた恋愛小説。
『汝、星のごとく』あらすじ|愛し合っているのに遠のく距離
舞台は瀬戸内の島。
島で育った暁海(あきみ)は父が不倫をして家を出ていき、島内で肩身の狭い思いをしている。
一方、京都から島へ引っ越してきた櫂も、恋愛にだらしない母親に振り回されながら生きていた。
孤独を抱えた二人は、ある日を境に強く惹かれあっていく。
順調な交際だったが、櫂が漫画で成功を収めるべく上京をしたことを境に二人の距離は広がっていく。
愛だけでは越えられない現実と向き合う、二人の15年を描いた長編小説。
『汝、星のごとく』感想|ヤングケアラーの恋の険しさ
お互い親に困っている者同士であるからこそ惹かれあう二人。
しかし、だからこそ立ちふさがる壁も大きい。
恋を描く物語であるが、内容はとても現実的。
二人はそれぞれに経済的な自立を目指して日々を乗り越えていく。
一生懸命に生きようとするほど、二人の未来が噛み合わなくなっていく。
誰も悪くないからこそ苦しく、読んでいて何度も胸が詰まる。
タイトル回収された際には涙を流してしまうが、読み手によってその涙の理由が変わってくる。
個人的には高校の北原先生の仕事を超えたサポートに感動を覚えた。
『汝、星のごとく』まとめ
2023年本屋大賞受賞作。他、賞&ノミネート&ランクイン多数!
賞を総なめするのも納得の感動作。
ヤングケアラーが経済的自立を果たしながら恋を実らせることの難しさが、物語全体から伝わってくる。
二人の下した決断がどのように映るかはその人の歩んできた人生観次第。
愛だの恋だの言ってられない二人の恋の形。
人生を嘘偽りなく描いた恋愛小説を読みたい方にはおすすめの一冊。

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