『資本主義と、生きていく』|資本主義が作り出す6つの追手が人生を駆り立てる

教養

著者:品川皓亮
おすすめ度:★★★★★
読みやすさ:★★★★★

『資本主義と、生きていく』内容

人気ポッドキャスト番組「コテンラジオ」を配信する株式会社COTENの歴史調査チームの著者が、歴史をもとに資本主義の構造を解き明かす。

私たちが日々感じる生きづらさは、

〈時間〉〈成長〉〈数字〉〈労働〉〈お金〉〈消費〉

という6つの「追手」によって形作られている。

本書では、それらの追手がどのように資本主義と結びつき生まれたのかを歴史的な視点から紐解いていく。

資本主義の構造を理解し、現代社会との適切な距離感を見つけるための知識を学べる一冊である。

『資本主義と、生きていく』感想

ぱっと見の題名から、資本主義の構造を経済学的な見地から見ていくだけの本だと思っていたが、そうではなかった。

本書はその構造をより深く見ていくために、歴史を深堀りしていく。

人類が資本主義へと至るまでの過程をたどることで、その本質を深く理解できるように構成されている。 

歴史の根拠として経済学者や哲学者の言葉が上手に引用されているので、その時代の雰囲気をより深く感じ取ることができる。

マルクスやアダム・スミス、フーコーなど、これまで点として理解していた知識が、資本主義という視点を通すことで一本の線としてつながっていく感覚が心地よかった。 

生産性を上げるために〈時間〉に追われ、

常に〈成長〉を促される感覚に追われ、

学生の時から社会人に至っても成績という〈数字〉に追われ、

勤労精神のもとポジティブに意味づけされてきた〈労働〉に追われ、

〈お金〉を増やすことに追われ、

日々刺激され続ける〈消費〉の欲求に追われている。 

これらの追手を生み出しているのが資本主義だという説明には、かなりの説得力があった。 

本書の良いところは、こうした追手を生み出した資本主義を一方的に批判していない点である。 

それでも資本主義が生み出した恩恵は大きく、読み手が望むにしても望まないにしても資本主義の中で生きていかなければならない。

だからこそ資本主義に対する最適な距離感を見出し、その恩恵を最大限に享受できる示唆を与えてくれる。

それらの知識を頭に入れることにより、より良い人生を描けるようなヒントを得ることができた。

『資本主義と、生きていく』まとめ

歴史を用いて資本主義を紐解く。

現代社会になんとなく生きづらさを感じている人は、

〈時間〉〈成長〉〈数字〉〈労働〉〈お金〉〈消費〉に追われているのかもしれません。

本書を通してその構造が理解できると、それらとの上手な距離感を知ることができます。

資本主義が形作る現代社会の中で、より良く生きるためのヒントを得たい人にとっては、まさに探していた一冊となるでしょう。 

本書は資本主義を否定するための本ではなく、資本主義との付き合い方を考えるための本だった。

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