追憶の夜想曲

著者：中山七里

少年時代に殺人の罪を犯した人間はその後その罪とどのように向き合うのか？
本書は少年時代に猟奇的な殺人を犯した御子柴礼二が主人公のリーガルサスペンス。
御子柴は成長し、刑を終え名前を変えて高額な報酬を請求する悪辣弁護士となっている。
今作はその御子柴シリーズの第２弾。
高額報酬を払えるものしか相手をしない御子柴が夫殺しの罪で判決を受けている平凡な主婦の弁護をなぜか希望する。
御子柴はなぜ見返りの少ない主婦の弁護をするのか？
殺人を自供している主婦をどのように弁護して勝利に導くのか？
事件の裏にはどんな謎が隠されているのか？
読めば読むほど謎に引き込まれていく。
最後の数ページで謎が解消していくスピード感が爽快。人間描写も巧みで読者に適度にヒントを与えてくれているので読む手が止まらなかった。
岬陽介シリーズの岬の父親が出てくるところも中山七里さんのファンにはたまらない。興味がある人はそちらのシリーズも是非読んで中山七里ワールドに浸っていただきたい。