『殺戮の狂詩曲』|シリーズ第6弾。老人ホームの入所者9人を惨殺した犯人を元死体配達人が弁護する

な行

著者:中山七里
おすすめ度:★★★★☆
読みやすさ:★★★★★

老人ホームで9人を惨殺した男。
誰もが有罪を確信する事件に、御子柴礼二が挑む。
今回も中山七里さんらしい鮮やかなどんでん返しが待っていた。

『殺戮の狂詩曲』あらすじ

高級老人ホーム「幸朗園」に勤める忍野忠泰。

ある夜、眠る老人たちを包丁で次々と刺し貫いていく。

9人を惨殺した忍野は抵抗することなく警察に捕まり起訴される。

9人を殺したにも拘わらず「生産性のない上級国民を殺した”天誅”」を下したと言ってはばからない忍野。

”令和最初で最悪”の事件の被疑者となった忍野。

誰も望んで弁護をすることのない彼を元”死体配達人”で悪辣弁護士の御子柴が弁護する。

『殺戮の狂詩曲』感想

御子柴シリーズ第6弾。

シリーズファンの私にとっては読まないわけには行かない一冊。

御子柴の過去もほとんど明かされた後の本作。 

そろそろネタ切れなのでは?

という私の邪推もなんのその。

さすが中山七里さん。

引き出しが尽きません。

毎シリーズで謎の根幹をなしているのが、

どうして御子柴は利益の薄いと思える弁護を引き受けるのか?

被疑者は有罪なのか?無罪なのか?

という二点。

本作でも、この二点が物語の根幹をなしている。 

死体配達人として悪名高い御子柴にとって、何の利益もない弁護。 

そもそもこんな残忍な犯罪を忍野が犯したのはなぜなのか?

弁護の糸口を見出すために9人の被害者遺族に聞き取りを行っていく。

最終弁論を終えて暴かれる事件の真実。

さらに御子柴がこの事件にこだわる理由。

すべてが繋がった瞬間戦慄が走ります。

さすが”どんでん返しの帝王”。

気持ちよく転がされました。

単なるミステリーにとどまらないのもこのシリーズの共通点。

「生産性のない人間に価値はあるのか」という危険な思想を通して、高齢化社会の歪みも描いている。

読後には事件の真相だけでなく、人の命の価値についても考えさせられた。  

『殺戮の狂詩曲』まとめ

御子柴礼二シリーズ第6弾。

シリーズファンなら必読の一冊。 

今回も気持ちよくどんでん返されること間違いなし。

これまでのシリーズを読まれていない方は、これまでの5冊を読まれることを推奨。

そこまでしても読む価値ありのこのシリーズ。

シリーズ第6弾にして衰え知らず。

御子柴礼二シリーズが好きな方はもちろん、法廷ミステリーやどんでん返しが好きな方にもおすすめの一冊です。 

過去作のレビューはこちら👇

贖罪の奏鳴曲 

追憶の夜想曲

恩讐の鎮魂曲

悪徳の輪舞曲

復讐の協奏曲

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました