著者:メリッサ・ダ・コスタ
おすすめ度:★★★★☆
読みやすさ:★★★★★
『空、はてしない青』|あらすじ
若年性アルツハイマーの診断を受け、余命2年と告げられた青年エミル。
徐々に記憶を失い、やがて死を迎えることになるエミルは、治療を拒否し、購入したキャンピングカーで旅に出ることを決意する。
「最後の旅」を一緒に探してくれる人を掲示板で募集。
ある日、待ちかねた返信が届く。
待ち合わせ場所に現れたのはジョアンヌという名の小柄な女性。
お互いのことをよく理解しないまま二人は出発する。
死を迎えるためのあてのない旅に。
『空、はてしない青』|感想
本書は、2026年本屋大賞「翻訳小説部門」で第1位に選ばれた作品です。
旅を重ねるごとに症状が重くなり、記憶を失う時間が長くなっていくエミル。
エミルとの旅は、決して楽なものではない。
症状が進行するにつれ、エミルを支えるジョアンヌの負担も大きくなっていく。
それなのに、ジョアンヌはなぜ彼と旅をするのか。
彼女は自分のことをほとんど語らない。
それでも旅を続けるごとに縮まっていく二人の距離。
ジョアンヌがエミルと旅をする本当の理由。
その理由が分かったとき、それまでの二人の旅の景色が、まったく違って見えてくる。
死にゆくものの心の機微を、軽やかな文体で描いている。
生きることとは、愛することなのかもしれない。
そんな愛の尊さを、静かに心へ刻み込んでくれる。
そして、フランス南部のピレネー山脈をめぐる旅の風景が、その物語に彩りを添える。
読後は、穏やかで美しい気持ちだけが心に残ります。
『空、はてしない青』|まとめ
フランスの美しい風景を背景に描かれる、二人の愛の物語。
死を目前にした青年の旅を通して、「どう生きるか」ということを静かに問いかけてくる。
限られた時間だからこそ、一日一日を丁寧に生きることの大切さを教えてくれる一冊です。

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