📚 2025年おすすめ本10選

おすすめ本

今年もたくさんの本との出会いがありました。
読んだ総数96冊。おしくも100冊には届きませんでした。
そんなalmost100冊の中から特に面白かったものを10冊厳選させていただきました。

年末・年始のお供の参考にしていただけますと幸いです。

1『イクサガミ』(今村翔吾)

あらすじ
時は維新後の明治11年。京都の天龍寺に集められた292人の維新に取り残された亡霊たち。
割り当てられた木札を取り合うバトルロイヤルの開始が告げられる。ゲームの名前は「蟲毒」。
参加者たちは時に協力し時に騙しあい、殺し合いながらゴールの東京を目指す。
主催者の意図はなんなのか、生き残りには本当に金十万円が与えられるのか。
強者たちのデスゲームが始まる。

感想
数々の歴史小説を書いてきた今村翔吾さんの長編小説。
魅力的なキャラクターが次々と脱落していく様に手に汗にぎります。
4冊に連なる長編でしたが、あっという間に読破できます。

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2『爆弾・法廷占拠』(呉勝浩)

あらすじ
傷害事件で捕まり取り調べをうけるスズキタゴサクを名乗る男。
酔っ払いの取り調べと侮っていたら、都内で起こった爆弾事件を予言した瞬間に展開が一変。
取調室が連続爆弾魔との心理戦の戦場へと変化する。
スズキタゴサクと類家のスピード感あふれる攻防が読者を痺れさせてくれます。

感想
とにかくスズキタゴサクの気持ち悪さが全ての小説。
気持ち悪いを通り越して目が離せなくなります。
悪役であるスズキタゴサクの最後がどうなるのか続編も気になるところです。

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3『方舟』(夕木春央)

あらすじ
山奥にある謎の地下施設「方舟」。
遊び半分で訪れた大学生と一組の家族連れが突然の地震発生により施設内に閉じ込められてしまう。
地下水の流入により、何もしなければ死を待つのみの状態。
誰か一人が犠牲となり出口を開放すれば残りは助かる状況。
犠牲となる一人が決められない中、殺人事件が発生する。
「犠牲になるのは犯人であるべき」との見解で全員が一致。極限の状態で犯人捜しが始まる。

感想
この小説の全ては最後のオチに集約されていく。
最後に分かる事実に全ての線がつながり、震えが止まらない。
読み終えた後に必ずもう一度読み直したくなる一冊。

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4『同志少女よ敵を撃て』(逢坂冬馬)

あらすじ
1942年の独ソ戦の最中のモスクワ近郊の村。
ドイツ軍の襲撃を受けた小さな村で唯一の生き残りとなった少女セラフィマ。
村が燃え落ちていく中、セラフィマはドイツ軍への復讐を誓い戦うことを決断する。
狙撃兵として育てられ、やがて激戦地へと送られていくセラフィマの運命はどこで終わりを迎えるのか。

感想
世界大戦をロシアの視点で感じることのできる数少ない一冊。
今のウクライナとの戦争とも重なる部分があり、作者の平和への強い願いが感じられる大作。

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5『塞翁の楯』(今村翔吾)

あらすじ
戦国時代に落城する城から落ち延び、石垣集団穴太衆の一員となった匡介。
誰にも破ることのできない石垣を作ることで戦のない世を目指す匡介。
匡介は塞王となり究極の楯を完成させることができるのか。
楯の完成の先に戦のない世を作り出すことができるのか。
石垣職人の生涯を描く。

感想
城攻めの攻防を職人目線で感じることのできる一冊。
城の攻防を描くスリリングな場面もあり、歴史好きなら読んでおいて損はない。
読後は城の見方が大きく変わること間違いなし。

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6『殺し屋の営業術』(野宮有)

あらすじ
第71回江戸川乱歩賞受賞作。
主人公・鳥井一樹は、どの会社でも営業成績ナンバー1を誇る凄腕営業マン。
そんな鳥井が夜11時という異常な時間に営業訪問した先で出会ったのは——依頼主の死体と二人の殺し屋。
死の危機に瀕した鳥井は殺し屋に自分を商品として売り込む。
殺し屋の営業となった鳥井は蓄積してきた営業ノウハウを駆使し、殺し屋業界の中で生き残りを目指す。

感想
異常な鳥井が殺し屋の営業としてどんどんと目覚めていく姿が新たなダークヒーローの誕生を予感させる。
登場する殺し屋も魅力的で、漫画のようなテンポ感で爽快に物語が進んでいく。
さすが江戸川乱歩賞。続編を期待させる内容でした。

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7『黒牢城』(米澤穂信)

あらすじ
舞台は戦国時代、有岡城。
信長に反旗を翻した荒木村重が籠城する中、説得の使者として現れた黒田官兵衛は村重に捕らえられ地下牢に閉じ込められる。
信長に攻められ城内で殺人事件が発生。
犯人探しに窮した村重は地下牢の官兵衛の知略にすがることになる。

感想
歴史小説とミステリーの融合。
村重の立場の危うさや信長に追い詰められる心境がミステリーを通して鮮明に描かれる。
平凡な歴史小説に飽きたあなたにぜひ。

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8『プロジェクト・ヘイルメアリー』(アンディ・ウィアー)

あらすじ
地球を救うため宇宙に旅立った科学者グレース。
仮死状態から目覚めた彼は記憶喪失状態。
残っていた科学的知識を頼りに徐々に記憶を取り戻す。
絶望的状況を乗り越えて地球を救うことができるのか。
壮大な宇宙の旅の物語。

感想
SFでありながら科学的描写がしっかりしており物語に真実味を与えている。
途中から登場する意外なキャラクターが物語に深みを増す。
友情と冒険の一大物語。

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9『地雷グリコ』(青崎有吾)

あらすじ
勝負事に強い女子高生・射守矢真兎が特殊な設定のゲームで真剣勝負。
題名となっている「地雷グリコ」を含め全部で5つのゲームが繰り広げられる。
物語が進むごとに勝負の代償も大きくなっていく。

感想
ゲームの設定が面白く、漫画『カイジ』のようなテンポで読み進められる。
文章だからこそ感じられる深い読み合い。
ミステリなのに人が死なないので、殺人描写が苦手な方にもおすすめ。

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🔟『とどけチャイコフスキー』(中山七里)

あらすじ
岬洋介シリーズ第10作目。
ショパン・コンクールで岬と競い合ったロシア人ピアニスト・ヴァレリーの視点で描かれる。
舞台はウクライナ侵攻直前のロシア。
モスクワ音楽院での対立、文化的鎖国、そして学部長ボリスの殺害事件。
ヴァレリーは音楽で壁を越えようと奮闘する。

感想
音楽と戦争。対極的な視点で戦争を見つめる。
物語の先に見える戦争の真実が胸に刺さる一冊。
シリーズ読者にはマストバイ。未読の方は「さよならドビュッシー」からぜひ。

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🎖️ 番外編『そして誰もいなくなった』(アガサ・クリスティ)

あらすじ
舞台は無人の孤島「兵隊島」。
医者、元刑事、体育教師、軍人など、統一感のない10人が島に招かれる。
到着早々、館に響くレコードの音声が告げるのは——
10人それぞれが過去に犯した“殺人の罪”。
クローズドサークルで起きる殺人事件。犯人はどこに潜んでいるのか。

感想
いわずと知れたミステリーの定番作品。
定番ながら色あせない物語の強さ。
ミステリー好きならぜひ読んでほしい一冊。クローズドサークルの原典。

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