著者:ジョー・キャラハン
おすすめ度:★★★★☆
読みやすさ:★★★☆☆
もし、相棒が“感情を持たないAI”だったら――?
AIを信じることができるか
『瞬きすら許さない』あらすじ|AI捜査官登場
警官の時間とコストの削減を目的として人工知能捜査体(AIDE)を活用したパイロットプロジェクトが内務大臣の意向でスタートすることになる。
プロジェクトのリーダーとして抜擢されたのは、2年ぶりの職場復帰となるキャット警視正。
直感を信じて功績をあげてきたベテランのキャット警視正に対し、
思い込みを排除しデータを重んじて捜査に臨むAIDE。
互いに相反する捜査手法で行方不明事件を追う。
『瞬きすら許さない』感想|AIと人との未来の行く末を試す一冊
AIの便利さが浸透し、人間との共存が叫ばれる昨今。
AI使用に対する懐疑心にとらわれている人も多いのではないだろうか。
本書の主人公キャットもその一人。
AIの捜査を真っ向から否定し人間の経験に基づく直感こそが犯人逮捕に直結するに違いないと信じて疑わない。
一方の人工知能捜査体(AIDE)であるロックは人の偏見に満ちた直感を論理的ではないと断罪し、過去データをもとに効率的な捜査を行うことを常に提案してくる。
キャットの「経験と直感」か、
ロックの「データと合理性」か。
どちらが正しいのかではなく、どちらを信じるのか――読者自身も試される。
新しい技術が登場すると必ず起こるアレルギー反応を警察組織にあてはめてリアリティのある形で描かれている。
2023年に出版されたデビュー作とは思えない完成度。
ミステリーとしても作り込まれていて、AIを使った色物的な小説にとどまることなく、頭からしっぽまでスリル満点に楽しむことができる。
私自身は日常的にAIを活用しその恩恵を感じているので、キャットがAIを否定的に扱うところにやきもきしてしまった。
反対に、AIが人の矛盾をつくところは人によってはイラっとしてしまうかもしれません。
AIに対する個人の見解により、読みごたえは変わってくるところも本書の面白いところ。
AIが描く未来ではなく”今”が堪能できるミステリー小説でした。
『瞬きすら許さない』まとめ
感情のないAIに捜査は可能であるのか?
そんな疑問に挑戦したミステリー小説。
SNSやデータ上に証拠が残る昨今ではAIが捜査に使用されることは間違いない。
今後AI捜査官が小説に登場することも珍しくなくなっていくに違いない。
そんなAIとのバディを描く先進的な小説。
すでに本国では続編も出版されている。
英国ミステリーの新星の描く物語。
・AIテーマが好きな人
・警察×バディものが好きな人
・近未来すぎないリアル志向ミステリーが好きな人
という人にはおすすめの一冊。
共に未来を覗いてみましょう。
——そのとき、あなたはどちらを信じますか?

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