著者:夕木春央
おすすめ度:★★★★☆
読みやすさ:★★★★★
※本記事には『方舟』『十戒』の内容に関するネタバレがあります。
『楽園』|あらすじ
不慮の事故で両親を失った康之。
両親から譲り受けた不動産に住む海原が失踪する。
海原の行方を探すために遺留品を整理している際、群馬の山奥の謎の物件に行き着く。
海原失踪の理由がそこに隠されていると考えた康之は恋人の沙織とその物件を訪ねる。
そこは、切り立った岩壁に囲まれた断崖の地だった。
不気味さを感じながらその地を物色する二人は、突然現れた集団に取り押さえられる。
そこは、殺人の罪を犯し逃亡中の息子をかくまうために海原が作り出した「楽園」と呼ばれる場所だった。
「楽園」に住まう逃亡犯達に捉えられた二人。
脱出する条件は
「楽園の住人のうち、誰か一人を殺すこと」
断崖の地で生き残りをかけた駆け引きが始まる。
『楽園』|感想
「殺人犯を生贄に脱出を図る」方舟
「殺人犯を見つけることを禁じられた」十戒
に継ぐシリーズ3作目。
クローズドサークルの脱出条件に異例のルールが設定される本シリーズ。
「誰か一人を殺すこと」が脱出の条件という歪な環境はさすがの設定。
「方舟」「十戒」で登場した彼女が当然本作でも登場します。
前二作を読んでいる方ならすぐに彼女がどれなのかに気づきます。
むしろそこからが本番。
彼女の動きから目が離せなくなります。
これまで幾度も極限の状況を乗り越えてきた彼女。
今回はいったい、どんな方法でこの「楽園」から脱出するのか。
今回も予想を遥かに上回る結末。
完全に彼女の掌の上で転がされました。
真相を知った瞬間は、思わず「そんなバカな!」と言いたくなる。
それほど大胆な真相でした。
それでも、彼女なら納得してしまう。
最後には、その猟奇的な結末に震えました。
『楽園』|まとめ
「方舟」「十戒」に続くシリーズ第3作。
また彼女に会うことができます。
今回も彼女の予想外の立ち回りと、想像を超える真相を楽しむことができます。
本作単体でも読むことはできますが、前2作を読んでから挑むのがおすすめ。
「彼女」が何者なのかを知ったうえで読むことで、本作の面白さはさらに増します。
シリーズを追いかけてきた方なら、読んで損のない一冊です

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